今回は、固定種のお話です。
我が家は固定種で野菜を育てています。
自然農法として農薬、肥料を使わず、極力水やりをしないで家庭菜園をしています。
この度、いんげんが初の固定種からの種で発芽しました。
心なしかたくましい発芽に見えるのは、想いがありすぎるからでしょうか。
固定種は、親から次の世代、また次の世代へと形質が変わらず受け継がれる種のことです。
育った野菜からは、味や形が固定した種を採ることができます。
しかし、この安定した状態を維持することは、簡単ではありません。
現代農業で主流のF1種は、種の情報を次世代が必ず受け継ぐとは限らないからです。
F1種(first filial generation/雑種第一代)は、交配で生まれた一代目の種です。
形や大きさ、収穫時期を揃えて安定した出荷を目指したり、病気に強い種を作ったりするために、異なる品種をかけ合わせて作られます。この第一世代に限り、安定した収穫結果が得られます。
次世代以降は、種を採取しても形質にバラつきが出て、ふぞろいになります。
生命力が弱まるケースがあるとも聞きます。
そのため、同じF1種を育てるためには、毎回種を購入する必要があります。
固定種は、何世代にもわたる自然淘汰や、よい株を残すという人為的選抜によって、特性が固定しています。
我が家の固定種から採取した種で、さらに強い作物が育つかどうかは今後のお楽しみです。
できるだけ水や肥料を与えず土壌が持つ力で栽培しているため、野菜自身が強く根を張り、
水分と養分を吸収する力を身につけなければなりません。
植物は、種を通して環境に適応するための情報を子孫に伝えるとも言われます。
種から種へと育つ過程で、我が家の土壌に合った種へと進化していくのではと期待しています。
生命が持続しながら発展していく固定種野菜のように、
種である人材も、土壌である職場の環境との相互作用的な関係の中で、
よりよい成長を見せるのであろうと妄想しました。